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オフセット印刷の仕組み:オフセット印刷の”アレ”なんで?2

似顔絵
オフセット印刷の仕組み:オフセット印刷の”アレ”なんで?2

新年 明けましておめでとうございます。
 
私たちの会社がある山形県米沢市の年末年始は大雪でした。先日の仕事始めで出勤すると・・・
営業車が雪山になっています!
 
雪

 
この日も朝から吹雪いて、米沢は例年にも増して雪が多そうです。
 
それでは久しぶりですが「オフセット印刷のアレなんで?」第2回です。
 
毎日目にするほど、実は身近な存在である「オフセット印刷」をもっとよく知ってもらい、印刷って面白い!奥深い!と思ってもらえたら嬉しいです。
特に印刷会社の人と商談をする機会のある方は、「今まで何となく聞いていたけど分からない」というときに参考にしてください!
 
前回の第1回「オフセット印刷の仕組み」についてはこちらから。
今回は更にその仕組みに迫るうえで欠かせないもの。前回少しだけ出ていたワード「湿し水」がテーマです。
 
印刷に必要なものとは何か。覚えていますか・・・?
答えは2つ「インキ」と「はんこ」でした。「湿し水」はこの2つと強く関わります。
 
オフセット印刷の「インキ」は顔料や樹脂など様々なもので組成されていますが、簡単に考えて「インキ=油分」です。油が塗られた物体の表面は水をはじきます。この水と油の関係がオフセット印刷にはすごく大事!
 
オフセット印刷

 
オフセット印刷の場合、紙への印刷は「はんこ」から直接刷るではなく、「インキ」が転写されたブランケットからでした。なので、どうにかして「はんこ」→ブランケットへ「インキ」を移動させなければいけない・・・。それを可能にするのが、「湿し水」です。
 
オフセット印刷

 
こちらが印刷機にセットされた「はんこ」の横からの断面です。アルミ板の上には水がなじむ保水層、その上に「インキ」がなじむ感光層があります。「湿し水」が乗っている部分には感光層が無くなっています。
 
これは「はんこ」が印刷機にセットされる前の工程で、あらかじめ「インキ」が乗らない部分の感光層を削っているためです。この工程が印刷データをもとに、アルミ板を加工して「はんこ」にする刷版工程です。
 
印刷がスタートすると、まず「はんこ」の全体に「湿し水」がつきますが、インキが乗る感光層は水をはじきます。そこにインキが乗ることで、上の図の状態になります。こうすることで「インキ」は「はんこ」→ブランケットへ移ります。
 
オフセット印刷ではこの「湿し水」の調整や管理が非常に大変で、例えば「非画線部」の「湿し水」が少なければ「インキ」が「非画線部」に侵入して、印刷物の地汚れなどのトラブルを起こします。逆の場合、「湿し水」が「画線部」に侵入すると加乳化というトラブルが起き、様々な不良を招きます。
 
このようにオフセット印刷は身近な印刷物と紹介していますが、「インキ」と「湿し水」の絶妙なバランスで日々量産されています。もっと言えば、「湿し水」は単なる水道水ではありません。水に何%の溶剤が配合されており、その調整や管理も印刷仕上がりの良し悪しにつながります。
 
ですが、当社が行っている「水なし印刷」はこの「湿し水」が一切不要なのです!
この秘密についてはこちらをご覧ください。なぜ実現可能なのか?なぜ不要にしたのか?オフセット印刷の仕組みを掴めれば、より内容が理解できると思います。
 
こんな感じで2回に渡って「オフセット印刷の仕組み」を簡単に紹介してみました。「簡単・・・?うーん・・・」と思われた方すみません。何気ない印刷だけど1枚1枚に技術や複雑なノウハウが込められて製造されている、ということが伝わってもらえたらOKです。
 
ぜひ、パッケージや印刷物をお手に取った時に、意識して観察してみてください。次回は多くの方が「なんで?」と疑問を持つインキのアレについてご紹介します。